鉄野はさみの映画感想録

映画館のバイトを1週間ちょいでクビになるぐらい駄目なボクです。でも、映画の感想を書いたりします。

「さらざんまいのうた」を考える①

さらざんまい応援上映

さらざんまい応援上映

先日、いよいよ日程が決まった。
シネ・リーブル池袋7/19~8/7の間に上映される予定となる。
詳細は先に挙げたツイッターで確認してもらいたい。

押しも押されもせぬKKO(カネノナイ・キモイ・オッサン)のボクだが、「どれか1回は参加しなければいけないだろう」と覚悟をしている。

KKOのボクが参加して、地獄を味わうのは火を見るより明らかなので、できればKKO専用枠」の日時を用意してほしいのだが、それはワガママがすぎるというものかもしれない・・・。

さらざんまい応援上映と聞いて思いついたこと

やっぱり、「さらざんまいのうた」は応援上映で合唱するよね!?
それなら心を込めて歌いたいということで、歌詞について考えた。

これは副産物なのだが、全皿を視聴してから歌詞を読むと、理解度が上がっていることが実感できて面白い。

「さらざんまいのうた」を考える

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さらざんまいのうたは、カパゾンビと対決する時に歌う曲だ。
構成としては、1メロ毎に掛け合いの形になっている。
つまり、オペラ。重唱ってやつ(だと思う)。

1番目のパートに絞って説明したい。

<Aメロ>
取り戻さなきゃ いけないものがある
ハコ ハコ
好きなアイツに知られちゃう前に
取り戻さなきゃ いけないものがある
ハコ ハコ
誰にも漏らしちゃいけない ヒミツさ

これは、秘密の説明にあたる。「私には秘密があって、自己防衛のために隠す必要があります」ということを具体的な事例に沿って述べている。

ケッピ「カッ・パラ・エー!」

ここでは、「かっぱらう」という言葉に注目して欲しい。
この言葉には二つの意味がある。

掻っ払う(かっぱらう)の意味 - goo国語辞書

[動ワ五(ハ四)]《「かきはらう」の音変化》
人目を盗んでそこにある物をかすめ取る。かっさらう。「店頭の品物を―・う」

勢いよく横に払う。なぎ払う。「向こうずねを―・う」

[可能]かっぱらえる

つまり、「①ものを盗む」という意味と「②なぎ払う」という意味を持っているわけだ。
吾妻橋でカパゾンビと対峙したカッパたちが歌うという状況を踏まえると、二つの意味を使って下記の解釈ができる。

①カパゾンビの尻子玉を盗む
②Aメロに出てきた秘密にするという壁をなぎ払う

②の意味で考えると、ケッピがAメロに対して反論してるということになる。
「秘密がある? しゃらくせえ、さらざんまいして秘密を共有すっぞ」

個人的には、②の意味だとBメロへの繋がりがしっくり来る。
こっちの解釈のほうが好き。

<Bメロ>
僕と君とは つながれるはずなのさ
ヨー・クー・ボー!
生命(いのち)の意味を 確かめるのさ
は・じ・け・て

Bメロはケッピの言葉に乗っかるような歌詞だ。

「僕たちはつながれる(秘密を晒しても共に生きていける)はずである。そうやって命の意味を確かめていくんだ。恐れるな」
そういう解釈だろうか。

「は・じ・け・て」はよくわからん。

<サビ>
泳げ人生 つかめ栄光(サクセス)
それは愛だと 信じていいのさ
Soul on a dish 重ねて
Catch the ball 抜き取れ
願い叶え さらざんまい!

それは愛だと 信じていいのさ」、6皿目までの話を思い出す。一稀が春河の愛を信じたこと。

Soul on a dish 重ねて」、Soulは魂であり欲望であり水。Dishは皿であり器(心臓)であり心が思い浮かぶ。

欲望を心に注ぐ。
マブとレオは偽りの心に誰かの欲望を注いでいたが、「さらざんまいのうた」においては真心に他ならない。

そして、「願い叶え さらざんまい」。果たしてどんな願いなのだろうか。


1皿目の時点でこの歌を聞いたとき、心の底から「ポカーン」としていた人がほとんどだろう。しかし、さらざんまいを最後まで見た人には心に届く、素晴らしい歌になる。ニクいね。

蛇足になるが、「泳げ人生」という言葉から、作品の方向性として、恐らく河というものを人生になぞらえていることがわかる。

11皿目で悠が河に頭から飛び込んだシーンを思い浮かべる。

視聴直後のうっすらとした感想はこうだ。
「わざと飛び込み自殺と全く同じ表現にしながら、人生という河に思い切って飛び込んだ勇気のようなものを表しているのかな」
こうして、歌詞を読んでいくとその印象が一層強くなる。

もちろん解釈は人それぞれだけど。


谷川俊太郎先生のお言葉

ここまで適当に書いてきたわけだけど、最後は、あの「かっぱ」を作詞された谷川先生の言葉で〆たいと思う。

「詩はくだらないもの」詩人・谷川俊太郎が切り開いた詩の世界 | DMM英会話ブログ

詩には「答えはこれである」というようなものは無いんです。詩は散文とは違って、論理で組み立てられているわけではありません。いろんな意味が重層していて、捉え方によってはすごく「曖昧」なものだし、割り切れないものなんです。人によって受け取り方も違うものなんですよね。


つまり、詩の「意味」っていうのはあまり重要じゃないんです。詩を言葉の意味だけで読もうとすると、つまらないと思いますよ。


考察すればするほど面白くなる幾原監督作品を表しているようで、表していないような、そんなコメントでした。

次回予告

「さらざんまいのうた」を考える②