鉄野はさみの映画のはなし

映画館のバイトを1週間ちょいでクビになるぐらい駄目なボクです。でも、映画の感想を書いたりします。

難聴だけどシネマ・チュプキ・タバタのレポを書いてもイイよね!

シネマ・チュプキ・タバタって何だ!?

君はシネマ・チュプキ・タバタという映画館を知っているか?*1

「どんな人も一緒に楽しめるユニバーサルシアター」がうたい文句だ。
なんだか、どんな人も警察が動きそうな案件である。どんな人もってどんな人だよ。場合によっては「どんな人想定力たったの5か…w ゴミめ…w」と一蹴されかねない。

それらしき定義がチュプキのウェブサイトに書いてあった

せっかく夢の映画館を創るなら、目の不自由な人たちだけでなく、耳の不自由な人車いすの人子育て中のママなど。様々な理由で、映画館に行くことをためらってしまっていたどんな人も、安心して映画を楽しめる、ひらかれた映画館を創りたいと思い、車いすスペースや親子鑑賞室を設置し、イヤホン音声ガイドや字幕付き上映を常時行う、ユニバーサルシアターの設立へと夢を広げました。

シアターの特徴 | CINEMA Chupki TABATA

なるほど、「日本語字幕付き上映がないクソシネコン」とか、「クソクレーマーのせいで2日ぐらいしか字幕付き上映ができないクソ社会」だとか、「さして芸術性なんて持ち合わせていない癖に、字幕なんか付けたら画の完成度が落ちるといったゴミみたいなこだわりを押し通して、日本語字幕なしでリリースする裏事情を感じさせるクソ映画(あるのか・・・?)」とか、「そもそも製作費が少ない映画ほど日本語字幕に予算を割きにくいわけだけど、そういう負担を均等にする提案をクソ邦画界はする気あるの?」とか、「映画では日本語字幕があったけど権利とかの関係でDVDでは日本語字幕がついていないクソみたいな配給文化」だとか、「UDCastに音声ガイドが登録されてないクソ悲しさとか」とか、「車いす席がスクリーンの目の前にしかないクソシネコン」だとか、「そもそも子供から目を離せない人はどうなるの」とか、、、、、、、とか、、、、、、、とか、、、、、、、

そういう物に対するクソデカFeelingを抑えてきた人たちには良い映画館なんだろう。もう、(作り手にも他の人にもいろんな事情があるんだし……)みたいな魔封波で思いを封じこめるなくてもいい。チュプキ、おまえが孫悟空だ。

<完>

いや、よくわかんねえよ。

そんなわけで、昨年の9月頃にシネマ・チュプキ・タバタに行ってきた。
これより先はけっこう軽い難聴を持っている俺の映画館レポートになる。セリフは聞き逃すけれども、内容はだいたい推測できるレベルの人間だ。いや、人間なのか俺は…? ヒト…?*2


田端駅からシネマ・チュプキ・タバタへ

やってきました大東京の田端駅。*3

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田端駅北口(Wikipediaより)
東京といえども中心地を離れるとこんなものさ。田端駅周辺は東京都北区の静かな町だ。

高低差が激しく坂が多い。なぜだか、同じ場所に高さ違いの橋が密集していたりして、超謎。でも俺はブラタモリをチェックしてるからね。「ここには昔大きな川があって、埋め立てを繰りかえしていたのでは!?」なんて考えながらテクテクするわけだよ。駅の近くに古地図屋さんの看板を発見した時には、やはりブラタモリ的なセンスが試される大地であることの確信を強めるわけです。でも、こんな短絡的な考え方をしていたらタモさんに秒で殺されるんだろうね。っていうかブラタモリを見てるだけで何がわかるんだよと、ただただ自己批判をくり返す小生でありました。*4 *5

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古地図屋さんの看板

いや、なんの話だよ。

ん、坂と橋?
車椅子の敵じゃねえか?

ご安心を、チュプキのウェブサイトに車椅子でも到着可能なルートが記載されている。

https://i2.wp.com/chupki.jpn.org/wp-content/uploads/2017/05/map-3.gif

俺が行った時も、チュプキには車椅子の方が一名いた。といってもけっこう歩くので、大変そうなんですけどね。もっと駅近であれば良いに越したことはないのだが・・・!


シネマ・チュプキ・タバタ到着

到着!

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シネマ・チュプキ・タバタの外観

小ぢんまりとしているが映画館だ。
中に入ると、すぐにカウンターがある。俺が観に行ったのは『海獣の子供』。「え、え、え、SNSに写真をうpしてもおkでしゅか!?」とドモり気味でスタッフに質問して、やや引き気味の「かまいませんよ」が聞けたのは半年前の話です。その節は大変お世話になりました。

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シネマ・チュプキ・タバタのカウンター

チケットはネットで予約することをオススメする。収容人数が20~25人なので人気作品だとすぐに売り切れるからだ。
時間より早く行きすぎるのも良くないかもしれない。受付がせまいので、ずっと立つことになるかも。今回、俺は早めに行ってしまったので、近くの公園でホームレスっぽいおじさんの隣で時間をつぶしていました。天気が良くてよかった☆(キラッ)

上映時間が近づいたので映画館に戻る。
中を見回して、壁に『海獣の子供』の渡辺監督や小西作画監督のサインを発見する。舞台挨拶に来られていたとのこと。

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渡辺歩監督のサイン
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小西作画監督のサイン

時間が来たので館内に入ってみる。
アップリンク吉祥寺の一番小さいスクリーンより小さい。チュプキ創設当時の苦労を書いた『夢のユニバーサルシアター*6』という本を読むとわかるだが、映画館として使える建物は本当に少ないのだそう。限られた資金で映画館としての換気設備などを備えた場所、それがここというわけだ。というわけで、どこかの上級国民が投資を願い出てくれるのを祈りましょう。当記事をお読みで年収が1憶以上の方、明日チュプキに行ってみてください。本当のユニバーサルをお見せしてますよ。というか、願わくは俺に投資をして下さい。なーに、1年で2倍、いや4倍にして返して見せますよ。フハハハハハ。

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スクリーン

音響には力を入れているとのこと。ガルパンで有名な音響監督の岩浪美和さんがコーディネートしているらしく劇場クオリティの音質だった。そこら辺の映画館より良いと思う。

海獣の子供』は声優の能登麻美子さんが音声ガイドを担当している事で話題になっていた。チュプキで用意しているイヤホンを装着することで、音声ガイドを体感することができる。これは試してみたいよね。ということで早速イヤホンを・・・。

イヤホン・・・?

自分、補聴器ユーザーなんすよね。悲しいけど耳穴が補聴器で埋まってるのよ。まるで孫悟空のしっぽが切り落とされている事に気づいたラディッツのごとく、落胆。能登さんの音声ガイドは聞けずじまいでした。

というわけで音声ガイドを聞きたい補聴器ユーザーはチュプキに行く前に準備をしよう。
音声ガイドを聞くには、座席に備えつけてある3.5mmコードのジャックに何かしらをぶっ挿せばいいだけ。つまり、補聴器用の音声通信機やヘッドフォンなんかを自分で持っていけば、音声解説を聞くことが出来る。スタッフの人にもヘッドフォン等を使ってよいか尋ねたところ、「かまいませんよ」と返答を得ている。音漏れには十分気を付けてね。

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音声ガイド用の3.5mmジャック


音声ガイドは聞けずじまいだったが、日本語字幕付きの『海獣の子供』を楽しむことができた。同作の鑑賞は4回目ぐらい。かなりセリフを聴き取れていなかったんだなと気づかされる。主人公・琉花の口から思わず漏れたようなセリフが拾えると、より深く気持ちが理解できる。やっぱりセリフって大事ですわ。

ちなみに、親子鑑賞室はこんな感じだった。上映終了後なのでカーテンで閉じてあるけれど、ガラス越しに観るようだ。

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親子鑑賞室


映画館をユニバーサルな環境に

しかし、シネマ・チュプキ・タバタ1館で1.2億人にも及ぶ日本国民がカバーできると言うわけではない。
近年意識が高まりつつあるとはいえ、日本の映画館は諸外国に比べるとまだまだユニバーサルな環境には至っていない。*7 だからチュプキ、おまえが孫悟空だ。そして邦画界、てめーは元気玉だ。チュプキのような取り組みが、他の映画館にも広まると良いと思う。

しかし、日本語字幕があるとめちゃくちゃグッドだな。
今だったら37セカンズの日本語字幕付き上映とか良いね。オラ、行けたら行くぞ!


おまけ

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田端駅南口

こちらは田無駅北口よりもっと小さい南口。ここを出てすぐの所に、映画『天気の子』のラストシーンで有名な坂がある。平日の昼間にも関わらず、大きな子供たちが天気の子ごっこをしていました。おまえら・・・。



*1:

*2:これは愚痴なんですけど、僕は瀧内公美さんが好きなので、去年『火口のふたり』を渋々見に行ったんですよね。そしたら、なにを言っているのかさっぱりわからなくって非常にしんどかったです。DMMレンタルを見てみたところ、DVDにも日本語字幕がないようです。ですので、難聴者にはオススメできない映画です。キネ旬映画芸術の2019年のベスト1映画に選ばれていますがスルーしましょう。というわけで、瀧内公美さんの美しい身体を眺めたいのであれば『彼女の人生は間違いじゃない』をオススメします。瀧内さんは出ていませんが、最近の恋愛映画がいいのであれば『愛がなんだ』はどうでしょう。両映画ともDVDに日本語字幕が付いていますし(DMMレンタルで確認)、はさみ的にも楽しめました。

*3:田端駅と全く関係ないのですが。「田端」という字面を見ると、バタヤンこと田端義夫さんしか思い浮かばなかったりします。バタヤンを追ったドキュメンタリー 『オース!バタヤン』は戦前戦中戦後の混迷期に日本のエンターテインメント業界がどうなっていたかを物語っている素晴らしい映画なので、機会があったらぜひご覧になってください。以上、本文とまったく関係ない注釈でした。

*4:ちなみに、グーグルで古地図屋さんについて検索してみたところ、いまは閉店しているようでした

*5:明治の終わりから昭和の初期まで、田端周辺に文士の方々が集っていたことから田端文士村と呼ばれていたそうです。芥川龍之介正岡子規室生犀星サトウハチロー竹久夢二萩原朔太郎平塚らいてう田河水泡etc...

*6:

夢のユニバーサルシアター

夢のユニバーサルシアター

*7:と、数字付きで『夢のユニバーサルシアター』に書いてあった。当ブログにも以前書いた 映画『プロメア』とバリアフリー上映 - 鉄野はさみの映画のはなし